現場の声を施策に生かすことでスピーディーに実行につなげることができる

通販会社の施策のうち、顧客対応やリピート施策に関しては、現場の声を活かすことが非常に重要です。現場の皆さんは日々、お客様と直に接し、お喜びの声、ご意見、クレームなど様々な生の声を聞いておられます。通販会社がリピート施策を強化していくにあたってお客様がどうしたら喜んでくださるかという肝の要素に関して現場の声は欠かせません。

セミナーで学んだこと、同業者との会合で得た情報、コンサルタントをはじめとする外部パートナーからのアドバイスと、そこにも数多くのヒントはありますが、何よりも大事にすべきは現場の声です。私自身、コンサルティングの仕事で打ち合わせする際にも、自分の意見よりも現場の声を引き出し、施策に落とし込むことを最優先に考えております。

現場の皆さんは会議の場ではおとなしくしている方でも、個別にお話を聞くと、内面に熱い想いを抱いている方は多くいらっしゃいます。「お客様にもっとこういうことをしてあげたい」「お客様からあがってきた要望に応えたい」など、様々な意見を聞くことができます。本来は会議の場で、しっかり発言してもらえると、なお嬉しいですが、まずは皆さんの内面の想いを語っていただき、皆で共有することが最初の一歩になります。

化粧品通販会社A社では、社員の有志で集まり、リピート施策に関してブレスト会議を行いました。参加者は12名で1人10個ずつアイデアを持ち寄ることにし、120個以上のアイデアを皆で共有しました。その中から優先順位をつけ、約10個の施策を実行し、中から売上アップを実現した施策も生まれました。


健康食品通販会社B社では、社員から「改善提案」をもらう制度があり、提案1件につき100円がもらえます。内容はお客様サービスの改善、社内業務の効率化、コスト削減提案など多岐にわたり、昨年は1年間で360件前後の提案があったそうです。その全ての提案が皆で共有され、順次、実行されていくのですが、この提案制度のおかげで、会社の変化と成長を経営者の方は強く実感されているそうです。


健康食品通販会社C社では定期コース誘導のトークスクリプトを実際に電話に出る現場のスタッフだけで考えてもらいました。社長はその打ち合わせにあえて入らず、現場に全てを任せたのですが、結果として高い誘導率を実現することができました。現在でもスクリプトの変更については、全て現場判断を優先させています。


このように自分達で考えたアイデアは実現のスピードが早く成果につながりやすい傾向にあります。また、3社とも現場の社員は通販経験が豊富という方はいないのですが、自社のお客様のことを日々考えているので、良いアイデアが幾つも出ていました。

会社が初期段階で成長していくには、経営者の強いリーダーシップによるトップダウン経営が必要ですが、ある段階からは社員の成長を促し、企業自体の底力を強くしていく必要があります。

ある通販会社で初めて打ち合わせをした際に、現場スタッフからの意見がほとんど出ませんでした。最初はやる気がないのかと感じたのですが、話を聞いてみると現場の意見が採用されることがあまりないので、意見を出さないのが普通になってしまったとのことでした。実際に様々な質問をすると皆さん意見を述べられるので、考えてないのではなく、発言をする環境にないということがわかりました。

一方で、社員の発言が多い会社を見ていると発言しやすい環境を経営者が意図して作っていることが見て取れます。社歴の浅い人の意見もまずは聞き手が受け止めてくれるので安心して発言をすることができます。自由に発言できるからこそ、しっかり考えて意見を言おうという意識も各自の頭の中に醸成されていきます。

お金があれば外部の優秀なパートナーからアイデアをもらうこともできますが、お客様に近い自社の社員が考える方が良いアイデアが出る可能性も高くなります。

健康食品通販会社D社ではスタッフのアイデアを壁にポストイットで貼れるようにしてあって、日々、各自のアイデアを「見える化」しています。打ち合わせでの発言だけだと忘れられてしまいますが、「見える化」することで何度もそのアイデアを振りかえることができます。


売上アップやお客様満足を高めるためのヒントは現場にたくさんあります。宝を現場で眠らせることなく、ぜひ社内の皆さんでアイデアを出し合い、他社にないお客様に 喜ばれる施策を考えてみてください。


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