リピート客を増やす!お客様がリピートする13の施策

1.お客様を知る活動を行う

どのようにしてお客様の心を動かすのか?そのためには、会社の姿勢を理解し、商品理解を深めるとともに、どのような人が自社のお客様なのかを知り、情報発信、提案をしていく必要があります。

広告制作・リピート施策の立案・商品開発・・・全ての施策において、まずは自社のお客様を知ることが大切です。自社のお客様がどのようなタイプの方が多いのかを想像できないと、何となくプレゼントをあげようかというアイデアしか出てこなくなってしまいます。

「御社のターゲットは?」「50~70代の男性です」というような会話を耳にすることがあります。しかし、この表現は非常に抽象的で年齢だけ見ても50歳の方と79歳の方を一緒に括って良いのかと思いますし、ライフスタイルや価値観も様々で具体的なターゲットとしてイメージが湧きません。

一方で詳細なペルソナを設定する会社もありますが、あまり細かすぎるのも施策の実施においては実用的ではありません。例えば、「東京都目黒区在住、35歳女性、既婚、4歳と6歳の娘がいる。趣味は映画鑑賞と読書、旦那さんは会社員、年収600万円、趣味はサッカー・・・」と作り込んでいっても往々にして作り手の自己満足で終わってしまいがちです。架空のペルソナを一生懸命作るよりも、実際に商品を購入しているお客様はどんな人が多く、どんな特性を持っているのか探っていく方が実用的です。

自社のお客様をどこまで具体的にイメージできるか、アンケート、お客様インタビュー、コールセンターのオペレーターとの対話など様々な手法があります。事業の戦略、施策を考える上で、まずはお客様を知る活動から始めることが大切です。

事例

健康食品通販会社A社では様々な部署の社員が2人1組でお客様を訪問し、お会いした内容を全社で共有するという取り組みをしています。お客様へのインタビューは許可を得た上で、動画撮影を行い、取材に行ってない社員も視聴できる環境を作っています。普段お客様との接点のない部署の社員は改めてお客様の存在を認識することができますし、販促の部署の社員はインタビュー動画をヒントにして、DMや会報誌の作成にあたることができます。

2.2回目移行率を高める

リピート客育成において最も重要なことは新規客を1人でも多く2回目リピートにつなげることです。リピートが弱い会社の共通点はこの2回目リピートさせる力が弱いことで、この点を改善することがリピート客育成力を高める最優先事項になります。

リピート移行人数は2回目→3回目、3回目→4回目と購入回数が増えるごとに減っていきますが、2回目移行率が高いほど、3回目以降に継続する人数も増えていきます。

顧客が2回目購入に至らない理由としては、商品の品質に満足しなかった、商品の良さが伝わらなかった、リピートのきっかけがなかったというような点が考えられます。商品の良さが伝わらないのは商品自体の持つ力とツールによる情報発信が弱かったということに起因します。また、リピートのきっかけがないというのは、DMやメール等の案内が少ないことで、時間の経過とともに商品や会社のことを忘れてしまうということに起因します。商品力があってもリピートを促進する仕組みがなかったり、顧客対応が不十分であったり、商品や会社の良さといった情報を知ることができないとリピート購入にはつながっていきません。

まずは2回目移行率を高めるために数字による目標設定をし、具体的な施策を考えていくことが大切です。

事例

食品通販会社B社では広告の反応は良いのですが、なかなか売上が上がらないということで悩んでいました。そこで販売データの分析をしてみると2回目移行率が低く、新規客の大半が1年後には休眠客になっていることが判明しました。広告の反応が良いと電話が数多く鳴るので非常に売れているような気にはなるのですが、実際はリピート客が積みあがっていなかったのです。この会社では広告出稿費を一旦抑え、リピート施策の見直しを図ることとなりました。広告の反応が良い時はなおさら、2回目移行率を確認しておく必要があります。

3.クロスセルを促す

クロスセルとは初回購入とは違う他商品を購入してもらうことで客単価アップを目的に行います。多くの商品を用意して「どれか買ってください」ではなく、会社として優先的に購入してもらいたい商品を選んで提案することが大切です。

クロスセルの告知手段としては、商品発送時に同梱するチラシ、DMやメールを主に活用します。この際のポイントは商品を紹介する際には広告で新規客に訴求するようなクリエイティブにすることです。お客様は会社への信頼があるにしても、それだけでは購入理由にはなりません。お客様は必要性を感じないと商品を購入しないので、商品の魅力を余すことなく伝えることが重要です。

お客様にクロスセルを促すタイミングですが、初回購入時から案内して構いません。購入回数が多く、お客様の中で会社への信頼も醸成されている状態での案内が理想ですが、多くのお客様に購入していただくという観点からは臆せず初回から案内していくことをお勧めします。

事例

化粧品通販会社C社では商品A、商品Bの2商品をまずは購入してもらうという方針があります。そこで商品Aを購入した人には必ず商品Bを提案するよう社内が意思統一されています。お客様が電話で商品Aの定期コースを申し込んだら必ずその電話で商品Bの案内もするという徹底ぶりです。そして、商品Bを購入してないお客様には定期的にチラシとサンプルを送って商品購入を促します。会社として2品目でお勧めする商品が決まっているとクロスセル率は高まります。

事例

健康食品通販会社D社では新規獲得用の広告をそのままクロスセル用に既存客のDMにも活用して成果につなげています。クロスセル用にクリエイティブを作るのではなく、当たっているクリエイティブをそのまま使うという発想です。クロスセルがうまくいかないという会社のチラシやDMを見ると商品案内ツールの表現が弱いという共通点があります。

4.会員制度・ポイント制度を活用する

お客様が特定のお店や会社から商品を買えば買うほどお得があるというのがリピート施策の基本となります。その観点から会員制度やポイント制度を活用することは大切な取り組みです。特に、定期コースや頒布会の設計をしづらい商品を販売している会社では必須の取り組みと言えます。

会員になると送料負担が減る、購入回数や金額によってポイントが貯まる、割引率が上がるというような特典を用意します。購入回数が増えるにつれて、他店で購入するよりもお得になっていくので、結果として継続するお客様が増えることになります。

会員制度の1つとしてランクアップ制度を設計している会社もあります。購入金額に応じてランクが上がり、特典が用意されたり、割引率が上がったりします。航空業界のマイレージがイメージしやすいでしょう。

ポイント制度についてはお金で還元する方法と景品、商品やオリジナルの非売品と交換する方法があります。商品数の多い会社ではお客様の購入金額も増えやすいのでお金での還元は有効ですが、商品数が少ない会社ではポイントもなかなか貯まらずお金での還元にお客様があまり魅力を感じない場合があるので、その場合は商品や非売品等との交換の方が有効です。

事例

健康茶通販会社E社では、購入回数に応じて割引率がアップするような設計にしています。購入回数の多いお客様には感謝の気持ちとして還元をしたいという気持ちが根底にあり、還元の仕方としても公平性があります。

事例

化粧品通販会社F社は貯まったポイントは自社製造のオリジナル非売品と交換できる仕組みになっています。お客様に人気の非売品があるのですが、販売してほしいという要望がどんなに来ても決して販売はしないことにしています。そのためお客様もその非売品欲しさにポイントをためるという動きにつながり、結果としてリピート促進にもつながっています。

5.定期コースを設計する

お客様がその商品やサービスを利用することが習慣化すると、自然とリピート購入につながっていきます。その習慣化を促す一つの仕組みが定期コースや頒布会といったものになります。通販業界ではこの仕組み、特に定期コースを活用して多くの会社が売上を伸ばしてきました。定期コースがなければ、ここまで会社が大きくなることはなかったと振り返る人もいるほど売上アップにはインパクトを与えることができます。リピート性のある商品を持っていて、定期コースのない会社の方は最優先に取り組むべき施策です。

定期コースとは毎月1回商品をお届けするというのが一般的で、継続購入を約束する代わりに、通常購入よりも割り引いて商品を購入することができます。健康食品や化粧品、リピート性の高い食品の販売では良く使われる仕組みです。

ポイント1 コールセンターで引き上げる

電話受注の場合には、オペレーターが、その場で定期コースの案内をします。コールセンターにおけるトークスクリプトを上手に設計することとオペレーターが案内の場数を踏むことで誘導率を高めることができます。特にオペレーターが案内に慣れることによって誘導率は上げることができますので、空き時間にロープレをしたり、上手なオペレーターのトークを共有したりしながら経験を積んでいく必要があります。

事例

健康食品通販会社G社では初回購入客の2回目移行率が15%しかなかったため、2回目リピート移行率を高めるためのフォローの設計や施策を大幅に変更しました。その中でも特に力を入れたのが、初回受電時の定期コースの案内でした。取り組みを継続するうちに、半年後には2回目移行率が35%にまで上がりリピート売上の増加につながりました。この会社では以前ほど新規客は獲得できていなかったのですが、リピート売上が増えた分、全体の売上を増やすことに成功しました。

ポイント2 LP(ランディングページ)で引き上げる

WEBでの案内には2パターンがあります。1つはLPで商品案内をする時点で、定期コースをお得なオファーとして提示します。例えば、定期コースであれば初回30%オフ+送料無料だが都度購入では定価+送料という設定にします。価格差によるお得感を出すことで定期コースへ誘導します。会社によってはこの見せ方により初回購入者の約80%のお客様が定期コースに入ります。

もう1つはショッピングカート(もしくはチャットボット)に商品を入れた際に注文の最終確定前に定期コースの案内をします。例えば、お試し980円の商品を用意し、お試し品をカートに入れたお客様に定期コースの案内をします。お試し品を購入するつもりだったお客様でもこのタイミングで案内をすることで定期コースへ注文を変更する方が一定割合いますので有効な施策と言えます。

ポイント3 フォローDM、フォローメールを送る

DMはお客様に最もリーチできるが、費用がかかる。メールは費用が安価だが、開封されにくいとそれぞれにメリット、デメリットがあります。それぞれの良さを生かすために、DM、メール両方の活用が必要です。WEBからの注文のお客様にはメールしか送らない会社が多いですが、メールの開封率が下がり続ける昨今、DMでのフォローも併せて行うことが有効的です。

DM、メールでは改めて商品の特徴、お客様の声やよくある質問等を伝えて、2回目購入を促します。購入から15日~30日を期限とした2回目購入特典を用意するとリピート移行率を上げることができます。

事例

化粧品通販会社H社はオンライン広告を主体に新規客の獲得を行っていますが、2回目購入を促すフォローはDMとメールを併用しています。購入から3日後に冊子DM送付の案内メール、8日後に冊子DM、15日後にハガキDM、20日後にフォローメール、30日後にハガキDMとメールを織り交ぜてフォローを行っています。定期的なフォローを実施することで、2回目移行率アップに成功しています。

事例

化粧品通販会社I社では、受注媒体に関係なくDMでのフォローをベースにしており、90日間で5回DMを送付しています。この会社は紙の制作物のデザインと文章表現が独特で、その強みを活かしたフォローになっており、2回目移行率アップにもつながっています。

6.おまとめ定期コースに誘導する

定期コースは通常、毎月1回商品を送ります。しかし、昨今、配送料をはじめ様々な経費がアップする中、2ヶ月に1回2個、3ヶ月に1回3個といったおまとめ定期の提案をする会社が増えました。

後払いや代引きで商品を買っているお客様は商品が届くたびに支払いの準備をしなくてはいけませんが、おまとめ定期に入ることで準備の手間が省け、利便性が向上します。

結果として、ほとんどの会社でおまとめ定期コースを利用するお客様の継続率が高い傾向になっています。

7.頒布会を設計する

定期コースと並び、定期的に商品をお届けする仕組みとして頒布会があります。頒布会は毎月違ったテーマの商品が届くという仕組みで、食品の販売でよく使われます。食品業界はお中元、お歳暮といったギフト需要が減少傾向にあり、自家需要を伸ばす必要があります。そのための方策として定期コースや頒布会を設計する会社が増えてきています。

1つの商品を毎月届ける定期コースと違って頒布会は毎月違うものが届きますので、会社の提案力は問われることになります。上手に売上につなげている会社の事例を見ますと、ワイン、日本酒、ケーキ、果物、野菜や炊き込みご飯などの商品で各社自社の強みを活かした様々な提案が行われています。特にお酒やケーキ等の嗜好品は毎月違う商品が楽しめるというわくわく感、楽しさをお客様に提案することが大切です。

事例

食品通販会社J社ではフルーツの頒布会を提案しています。毎月スペシャリストが旬のフルーツを厳選してお届けするというコンセプトでご案内をしています。フルーツのように旬にあわせた商品提案ができるのは頒布会向きの商材と言えます。

事例

福岡県にある食品通販会社K社は九州の食材をテーマに6ヶ月間の頒布会を提案しています。自社で製造している商品と九州の食材を合わせたセットにしており、頒布会ではありながら、自社商品の販売にもつなげています。

8.初回同梱物を充実させる

初回同梱物とは初めて商品を購入したお客様に、発送時に商品と一緒に入れる同梱物のことを指します。この初回同梱物は2回目購入を促す際に重要度が高いツールになります。

挨拶状、商品パンフレット、サービス案内、お客様の声ツール、申込書、商品カタログといったものが最低限必要となります。その中でも初回購入者には商品についての情報を伝えることが重要なので、挨拶状、商品パンフレット、お客様の声ツール、商品カタログといったツールは特に重要性が高いです。

挨拶状は購入してくれたお客様に感謝の気持ちを伝えると共にお客様と商品を大切にしているという姿勢を表現することができます。商品パンフレット、お客様の声ツールは商品自体の良さを伝えるためのツールで、2回目以降のリピートを左右する非常に重要なツールです。

商品カタログは広告に出してない商品の一覧で、品揃えを知ってもらうという点でも最初に入れるのが望ましいツールです。特に食品や雑貨のようなリピート性の低い商材の場合は、いろいろな商品を購入してもらう必要がありますので必須のツールです。

健康食品や化粧品のような単品リピート型のビジネスモデルではまずは主力品のリピートを促し、食品や雑貨のような品揃え型のビジネスモデルの場合には、カタログだけでなく、他に案内したい商品のチラシも入れておくと良いでしょう。

同梱しているツール類は初回購入時が一番読まれる確率が高いので、重要な情報を最初に伝えることが肝心で、情報を小出しにせず、悔いが残らないようにしてください。

9. キャンペーンを企画し、DM・メールを送る

キャンペーンの告知はDMやメールを活用して、様々なタイミングで行います。一般的によく使われるのは春夏秋冬の季節ごとのキャンペーン、創業祭、年末感謝祭や周年記念といったタイミングです。キャンペーンは独自性を出しやすいので、各社様々なアイデアを形にしています。ユニークなものとしては、自社で記念日を制定し、その記念日をきっかけにDMを送るという手法があります。これは他社と販促時期が重ならないようにすることと独自性を出すのが目的となっています。

事例

総合通販会社L社では、自社で制定した2つの記念日を持っており、その記念日と年末の感謝祭と3回キャンペーンDMを送付しています。毎年の恒例となっており、リピート客だけでなく、新規客向けの広告も絡めてキャンペーンを実施しています。

事例

健康食品通販会社M社では毎年クリスマスにキャンペーンDMを、化粧品通販会社N社では年に2回創業祭、感謝祭としてキャンペーンDMを送っています。キャンペーンDMは毎年同じ時期に行うことでお客様の意識にも定着し、安定した売上を作ることができます。

事例

食品通販会社O社では普段送るメルマガの中で、数量限定早い者勝ちセール、在庫一掃セール、訳あり激安セール、ポイント消化商品の案内といった切り口でお客様に案内をしています。また、食品通販会社P社では、毎月、送料無料対象の商品を案内しており多くのお客様に支持されています。「送料無料」というオファーは強いので、それを上手に活用しています。

10.お客様の印象に残る対応を心がける

親身なお客様対応は手間がかかるのと、その効果がわかりにくいため、しっかり取り組んでいる会社は多くありません。ただ、親身な対応は他社との大きな差別化になりますので、スタッフ一同で力を合わせて取り組みたいものです。各社、商品を送る際にちょっとしたメッセージカードを入れてみたり、購入回数に応じてサプライズでプレゼントを入れたりと少しでもお客様に良い印象を持ってもらう取り組みを行っています。

事例

健康食品通販会社Q社では新規のお客様に一筆箋で3~4行のメッセージを添えて商品と同梱しています。その一筆箋にはスタッフの似顔絵が書かれており、人の気配や親しみを感じることができます。

事例

健康食品通販会社R社ではお客様から来たお手紙には全て経営者自ら返事を出しています。手書きではなくパソコンで作成した手紙ですが、お客様から来た手紙の内容をもとに文面を書いていますので、お客様にはしっかり想いが届いています。

事例

健康食品通販会社S社でお客様にお手紙を送っているオペレーターの方がいるのですが、彼女もパソコンで作成したお手紙をお客様に送っています。手書きだと書き損じや文面の内容を修正したいときに時間がかかってしまいますが、パソコンだと修正や変更も容易だということで継続した取り組みにすることができたそうです。文面の内容もお客様と電話で話した内容をベースにしており、手紙を読んだお客様からお礼の電話がかかってくることもあるそうです。

11.優良客に特別対応をする

優良客とは累計の購入金額や購入回数が多い顧客を指します。購入回数が多いお客様は優良客として特別な対応で感謝の気持ちを表すことが大切です。優良客1人失った場合に新規客を何人獲得しなくてはいけないかを考えてみるとその存在の大切さが理解できるはずです。

よく優良客に特別対応をした場合の費用対効果を質問されることがあります。通販会社は日頃から数字での測定に強いため、何事も費用対効果を測りたくなる傾向があります。実際のところ、優良客に特別対応をしても短期的には特に数字上の変化はありません。例えば、優良客に何かプレゼントを送ったとしても、それですぐに売上が上がることはありません。よって、優良客への対応は利益の還元で考えるのがお勧めです。かけた費用に対しての売上を求めるのではなく、いただいた売上・利益の中から感謝の気持ちと共に還元するという考え方です。

事例

化粧品通販会社T社では初回購入日を起点としてお付き合いの長いお客様に感謝の気持ちを込めたメッセージとプレゼントを送っています。こうしたちょっとした心遣いがお客様には良い印象を与えます。

事例

化粧品販売店U店では年間購入金額によって優良客を定義し、そのお客様にはお誕生日にお花を贈るサービスをしています。地元のお花屋さんと提携し、メッセージカードと一緒に送付しています。お誕生日にお花をくれるお店などそうそうありませんので、お客様は非常に喜ぶと共に継続したリピート購入にもつながっています。

12.休眠顧客の掘り起こしを行う

休眠顧客とはある一定の期間(多くの会社では1年)、商品の購入がない顧客のことを指します。新規客獲得の効率が悪くなる中、休眠客の再購入は重要性が高く、継続して取り組むべき施策です。

広告を出稿して新規客を定期に誘導するよりも費用がかからずに定期コースの再開を実現できれば広告出稿よりも効率良く定期客を増やすことができたことになりますので、休眠施策は有効であったと判断することができます。

最終購入日が直近でかつ累計購入回数が多い休眠客ほど復活の確率が高いので、例えば最終購入が1年以内で累計10回以上購入の休眠客のような条件でリストを抽出しアプローチしてみるのが効率よく掘り起しを行うポイントです。この属性での反応率を確認することで最終購入から1年以上でかつ10回未満の休眠客の反応率を推測することができます。

事例

健康食品通販会社V社では定期コースの解約者へのアプローチとして、累計購入回数が5回以上のお客様には3年以上DMを送付しています。これは、この属性であれば会社として採算が合うという判断をしているためです。販売している商品の売価や会社によって差はありますが、再購入率の高い休眠客の属性を把握しておくことは大切です。

事例

食品通販会社W社ではギフトカタログを送る1週間前にスタッフが手書きのお葉書を送付していました。過去の累計購入金額が多い休眠のお客様を約400人抽出して送付したところ約15%のお客様が再購入しました。400枚のはがき送付代で60人のお客様が商品購入という数字から効率の良さを認識することができます。

事例

化粧品通販会社X社でも同じく過去の累計購入金額が多い休眠客に手書きのお葉書を送付したところ約12%のお客様が再購入しました。両社ともお葉書には特に割引等の特典はつけなかったのですが、お葉書によって思い出したお客様が再購入に至ったのです。累計購入金額の多い休眠客には手書きのお葉書の送付が有効であることが裏付けられました。

13.社内からアイデアが出る体制を作る

リピート施策を考えていくうえでは現場のスタッフの意見を取り入れることが非常に大切です。日々、お客様と接しているスタッフは経営者や経営幹部よりもお客様のことを理解し、お客様のために何かをしてあげたいと考えています。いかにスタッフが日頃から想っていることを聞き出し、施策を考える上でのヒントにする必要があります。各社、社員からのアイデアが出るような工夫を行いながら、日々、ヒントを探しています。

事例

化粧品通販会社Y社では、リピート施策を参加メンバーが1人10個持ち寄るという会議を行いました。参加者が12名だったのですが、1回の会議で120個以上のアイデアが共有されました。アイデアは実現可能性から優先順位をその場でつけ、その中からすぐに実施されたアイデアが幾つも生まれました。

事例

食品通販会社Z社には改善提案制度があり、会社に改善提案をした社員は1件につき100円もらえる仕組みになっています。提案については全て実現の可否について検討し、採用されたものについては、担当者とスケジュールを決めて実行に移しています。

事例

健康食品通販会社AA社では「ひらめきカード」という仕組みがあり、スタッフがひらめいたアイデアをポストイットで貼り、社員一同で共有するようにしています。この会社には提案制度もあるのですが、この仕組みにより、ちょっと思いついたことを提案できるようになりました。アイデアや意見を付箋に記入して貼り出してもらい、それを見て「いいね~賛成」と言うものには赤シールを貼り、賛同の度合いを確認します。提案が少なかった社員からも提案が出るようになったり、誰かのアイデアをヒントに違う意見が出たりと以前よりも多くのアイデアが出るようになりました。

事例

化粧品通販会社AB社では商品開発の会議に必ずコールセンターのオペレーターが数名参加することになっています。会社としてお客様視点を見失わないためで、容器の使い心地や品質に対するお客様の声を会議の場でも発信しています。開発にプロセスにおいてもお客様と接しているオペレーターは欠かせない存在になっているのです。

以上、リピート施策を13個ほど紹介させていただきました。もっと細かい施策はこれ以外にも数多くあります。社内でのアイデア出し、優先順位つけを行いながら、実行につなげてください。




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