通販ビジネスと行動経済学
行動経済学とは人間の心理に着目した経済学で、20世紀後半からマーケティングの世界では注目を浴びてきました。伝統的な経済学が「人間の判断は合理的である」という前提に立つのに対し、行動経済学は「決して人間は合理的に判断しない、むしろ、不合理な選択を行うことが多い」ことを示しています。
店舗販売では対面の接客を通じて、お客様の表情や仕草から内面の心理を探ることができます。お客様との会話や店内での行動から、お客様の興味・関心を知り、それに合わせて商品の提案をすることができます。一方で、通販ビジネスにおいては、対面販売以上の努力でお客様の興味・関心を探る必要があります。その際に、行動経済学を学び、人間心理を意識しながら、お客様に提案を行うことが大切になります。
行動経済学の中の1つの考え方として、「選考の逆転」というものがあります。これは、状況によって、人の好みや優先順位が変わってしまう現象のことを指します。
例えば、今日のランチは朝から決めていたアジフライを食べようと行きつけの定食屋に向う。しかし、お店に着くと、日替わりメニューにあったハンバーグ定食に魅力を感じて頼んでしまう。このように人間はちょっとしたことで、すぐに気が変わり、選択を変化させるのです。
通販ビジネスでは、健康食品や化粧品の定期コース案内で選考の逆転が見られます。例えば、広告では980円のお試し品を掲載しておいて、注文の電話をしてきたお客様に3,980円の定期コースを案内します。お客様はお試し品を買うつもりで電話をしてきたのに、オペレーターの案内を聞くうちに気が変わり、定期コースを申し込むということがままあります。コールセンターのオペレーターもこの心理を理解していると、当初は定期コース入会を渋っていたお客様に繰り返し、魅力を伝え、案内することができます。
無理な押し売りはお勧めしませんが、選考の逆転が起きることを知っておくことは重要です。最後の選択はお客様に委ねるにしても、積極的に提案をしていくことで売上アップにつなげることができるからです。
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