通販会社A社は健康食品通販ビジネスに参入するにあたり、大手で有名な広告代理店は、事業を成功させるためのノウハウを豊富にもっており、任せておけば必ず成功するものと安易に考えていました。その為、自ら通販ビジネスの事業構造を学ぶことなく、広告代理店の広告を出し続ければ認知が上がり、売上も上がるという提案を鵜呑みにしていました。実際のところ、通販事業を始めたばかりの会社が広告を出し続けても認知が上がることも、売上が上がることもありません。結果、多額の広告予算を使い果たし、事業撤退をすることとなりました。
A社が通販ビジネスについて主体性を持って取り組んでいれば、広告で新規を獲得するためにはまずは反応の取れる広告表現の開発が重要であることを学んだはずです。広告代理店の話を鵜呑みにして認知度アップのために広告を出し続けるという事はなかったでしょう。新規事業に取り組む際に主体性を持たないと判断基準を自社で持つことができず、過剰に予算を使ってしまうことになってしまいます。
通販会社B社は、食品メーカーで商品を作りオンラインショップを開設すれば、あとは自然と商品が売れていくものと考えていました。その為、商品開発とオンラインショップのページ制作にはいろいろなこだわりを持ち、時間と予算をかけることになりました。しかし、オンラインショップ開設後の集客方法については全く考えていませんでした。当然のことながら、サイトオープン後、そのサイトに訪れる人はほとんどなく、商品が売れて行くことはありませんでした。
B社は集客のために広告が必要であることを事業スタートしてから、初めて気づいたのですが、サイト作りに予算をかけすぎてしまい、広告費に回せる十分な予算を持っていなかったのです。通販のオンラインショップは実店舗をもつよりも安価に立ち上げることは出来ますが、それはあくまでもイニシャルコストの話であり、実店舗の経営と同様にランニングコストが必要なのです。通販のランニングコストとして一番比重が高いのが広告費です。このことを事前に理解をしていれば、もっている予算の配分を考えてのスタートが出来たでしょう。
ある通販会社C社は、元々、健康食品の原料の卸を営んでいる会社で、あるとき自社の原料を使った商品を作り、通販で販売することにしました。その際、市場性や顧客ニーズなどを調べることなく商品作りを行ったため、通販事業を開始してみて、初めて市場の小ささに気づく結果となってしまったのです。また、原価率についても深く考えず商品作りを行ったこともあり、売っても、売ってもなかなか利益が出ない事業構造に陥っていたのです。さらに、経営者側からの目先の売上アップの追求も厳しく、現場担当者は事業の成功よりも、目先の売上の数字を上げることに躍起となり、反応の取れる広告原稿を持っていないにも関わらず広告を出し続けては、反応の取れないということを繰り返してしまったのです。
通販は全国を商圏に出来る魅力をもっていますが、だからといってどのような商品でも絶対に売れるというわけではないのです。どのようなビジネスでも、『ニーズがあるのか?』、『市場性は十分か?』、『販売する商品のターゲットとなるユーザーはどこにいるのか?』を考えた上で事業スタートに踏み切ります。しかし、とかく通販となるとそのような点が忘れ去られてしまう傾向にあります。作ることをゴールにせず、その後商品を売るというフェーズを想定していれば、市場性やターゲットのニーズについて関心を示し、スタート前に商品のコンセプトの見直しを行うことが出来たでしょう。
通販会社D社は化粧品の開発を行う際に、親しいOEMメーカーの担当者に「ある有名ブランドの○○より品質が良いもの」という漠然とした依頼をしました。OEMメーカーでは有名ブランドのものよりこだわった成分を加えた品質の商品を提案し、実際に販売することになりました。 しかし、いざ広告原稿を作成するにあたり有名ブランド○○との比較はできないので、結局こだわった成分の紹介くらいしか表現ができませんでした。結果として、商品の良さを伝えることができず新規獲得で苦戦することとなりました。
通販会社E社は化粧品通販ビジネスに参入後、テストマーケティングを繰り返しながら反応の取れる広告表現を開発するというセオリーを知らずに広告出稿を続けていました。新聞がダメなら雑誌、雑誌がダメならチラシ、チラシがダメならWEBというように媒体の変更ばかりしていました。反応が取れる広告表現がないといけないと後日、学ぶまでに多額の広告費を浪費してしまいまいました。
1.経営者が通販ビジネスを理解していない2.不勉強なままでの安易な参入3.商品力への過信4.専任の担当者を置かない5.通販ビジネスに精通したパートナーを起用しない
上記まで見てきた事例にあるように経営者が通販ビジネスについて勉強、理解せずに安易に参入すると、セオリーを無視した取り組みになってしまいます。結果として、多額の広告費を費やし、撤退という事態に陥ってしまいます。
メーカーにありがちですが、良い商品を開発したから売れるという想いも通販ビジネスでは通用しません。非対面の通販ビジネスではお客様は事前に商品を触ったり、試したりといったことができないので、広告表現をもとに購入を決断しなくてはいけません。良い商品を開発するのは大前提ですが、反応の取れる広告表現の開発も同じくらい重要なのです。
また、専任の担当者を置かない場合も失敗することが多いです。営業をやりながら通販とか、総務をやりながら通販といった役割だと、どうしても担当者は通販に時間を割くことができなくなります。結果、片手間の取り組みとなり、いつまでも事業が発展しない状況が続きます。
通販に限ったことではありませんが、新規ビジネスにチャレンジする場合に、知見・経験を持った専門家をパートナーにすることは大変メリットがあります。会社にとってはゼロから試行錯誤をするより、はるかに短時間で無駄な失敗をすることなく、売上アップの施策に取り組むことができるからです。
ある歴史ある酒造メーカーが健康食品通販に参入した際に、社内に知見がないということでセミナーや勉強会に頻繁に参加し、半年以上かけて信頼できるコンサルタントを探しました。この会社では、10社ほどの広告代理店、コンサルタントと面談を重ね、起用するコンサルタントの選定を行いました。経営者自らも面談に立ち会い、コンサルタントの起用に理解を示しました。商品発売前からコンサルタントの知見・経験を学ぶことで、綿密な準備を行うことができ、試行錯誤は重ねたものの、無事に通販ビジネスを軌道に乗せることに成功しました。
どの失敗事例も事前に通販ビジネスの理解を深め、基本となるセオリーを知っていれば避けることが出来るものばかりです。是非とも、これから通販ビジネスを始めようと考えている方々はここにあげた失敗事例や失敗の共通点を理解し、事前準備をしっかり行って事業成功を目指してください。
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