売上を構成する3要素を理解し、売上アップを実現する

売上アップを実現するための施策を考える場合、そもそも売上とは何から構成されているのかを把握することが出発点になります。『売上を伸ばす』と一言でいっても、一体何から取り組んでいくべきかが不明確なままだと施策を考えることもままなりません。

 

そこで売上を構成する要素を分解してみると、

 

売上=「客数」×「客単価」×「購入回数」

 

という式で表現できることがわかります。それぞれの要素の数字を上げていくことが売上アップにつながります。

(1) 客数

この場合の客数は顧客リスト数ではなく、直近1年以内の購入者数で考えます。顧客リスト数が10万人の会社であっても直近1年以内の購入者数が1万人場合、客数は1万人となります。 客数は主に広告による新規獲得、口コミ・知人からの紹介による新規獲得、休眠掘り起しによる休眠客の復活により増加します。

 

<コンサルティング事例>

 

化粧品通販会社A社は年商3億円前後で売上が伸び悩んでいました。 A社は既存客へ毎月会報誌を送り、月2回メールマガジンを配信しています。お客様の肌悩みについての電話相談など数多くの施策を積極的に行っています。そこで、販売データをもとに分析をしていくと、施策が功を奏してリピート顧客の売上はとても高いのですが、新規の顧客数が増えていないことが確認できました。

 

そこで、広告予算を増やし、新規顧客の獲得を積極的に行うことにしました。また、同時に直近1~2年購入のない休眠顧客を復活させるためにダイレクトメールを送付することにしました。リピート顧客の売上は安定して増えており、数字も良いので、経営資源を客数アップに集中させることにしました。その結果、客数増加に成功したA社の売上は年商5億円を突破するところまで増加しました。

(2) 客単価

客単価は主力品以外の商品をあわせて購入してもらう「クロスセル」、お客様が購入を検討している商品のより上位版の商品を購入してもらう「アップセル」を行うことで増加します。ただ、目先の客単価アップに走ることはお客様にとっては当初想定していた以上の出費になるので、一歩間違うと不快感の醸成につながりますので注意が必要です。

 

<コンサルティング事例>

 

化粧品通販会社B社は、新規顧客の獲得は順調で、且つ会報誌による顧客コミュニケーションの強化により、リピート顧客を安定的に育成できており、毎月売上は増えている状態でした。そこで、さらなる売上アップを実現するために、受注時に注文商品以外の商品も併せて案内するクロスセル施策を行うことにしました。企画部署とコールセンターのオペレーターで毎月お勧めの商品を決め、案内していったところ注文が増え、客単価のアップを実現することが出来ました。

(3) 購入回数

お客様の商品への信頼、丁寧な対応や接客によるお客様の満足度、定期コース・頒布会・ポイント制度・ランク制度といった仕組みなどが相まって購入回数は増えていきます。 上記の3要素の中で、「客数」と「購入回数」の増加は売上アップへの影響が大きいので、優先して取り組む必要があります。 自社の現状と課題を把握した上で、どの要素から取り組んでいくべきかを整理した上で、具体的な施策を検討していくことになります。

 

<コンサルティング事例>

 

化粧品通販会社C社は、新規顧客を安定的に獲得が出来ていながらも、毎月の売上が安定しない状態に悩んでいました。キャンペーンの月は売上が上がるが、キャンペーンが終わると売上が下がるといった状態で、キャンペーンに依存した不安定な状態が続いていました。そこで、毎月の売上を安定させるべく、定期コースの導入を行い、購入回数を伸ばしていく施策を行うことにしました。導入前は社内でも定期コースについて効果を疑問視する声もありましたが、いざ導入して見ると翌月から売上が安定し始めました。結果、顧客1人あたりの年間購入回数が上がり、毎月の売上が安定すると共に、安定的に獲得できていた新規客の定期コース利用者が増え、売上も増えていきました。

 

健康食品通販会社D社は定期コースの継続率アップという課題を抱えていました。そこで、定期コース会員で毎月1個お届けのお客様に、3ヶ月に1回3個お届けコースの案内を行いました。毎月お届けから3ヶ月に1回お届けになることで送料が1回で済むので、D社は毎月1個お届けよりもさらに割引を行うことにしました。後払い決済のお客様で毎月1回の支払いが面倒に感じているお客様は、より割引のある案内に惹かれ3ヶ月に1回お届けに乗り換えるようになりました。一定数のお客様が乗りかえることで継続率は上がり、購入回数アップに成功しました。

 

ここまでのコンサルティング事例でわかるように、各社課題により行う施策の優先順位は変わってきます。売上を構成する3要素の「客数」「客単価」「購入回数」のどこから手をつけていくかを考えることが大切です。まずは自社の現状を振り返り、課題を整理していきながら、取り組むべき施策を実施していってください。


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