LTV向上を実現する継続率のアップとクロスセル

LTV向上を目指す

新規獲得の効率が昔と比べ悪くなっているという課題を多くの企業が抱えています。この傾向は、今後ますます顕著になっていくと考えられます。

その理由としては、通販事業への新規参入が増えたこと、さらに競合が増えたことで限られた広告枠の獲得の競争が激しくなっていること、表現の規制が厳しくなっていることなどが挙げられます。通販事業を安定した形で継続して行っていくためには、ますます既存客の育成が重要になっていきます。


そこで、見るべき指標としてLTVがあります。LTVとは、顧客生涯価値というように訳されますが、分かりやすく言えば1人のお客様が企業にもたらす売上(利益)=価値となります。

LTVとは

1人のお客様が企業にもたらす売上(利益)=価値

LTVを向上させないと広告出稿も採算面から制限を受けることになります。新規獲得の効率悪化→広告予算の減少→客数減少→売上減少という負のスパイラルに陥ってしまう恐れが出てくるのです。LTVを上げるためには、クロスセルにより年間の購入金額を上げることと継続率を上げることが考えられます。

 

継続率をアップさせる

LTVを向上させるために、何といってもお客様と長いお付き合いをすることが重要です。そのためには、一貫性のある情報発信、差別化されたサービス、商品を使い続ける必要性を理解してもらうということが大切になります。現場は常にどうしたらお客様が喜んでくださるかを考え、行動していくことが求められます。

 

定期コース・頒布会を活用する

継続率を上げるために有効な手段としては、定期コース・頒布会があります。定期コースとは毎月同じ商品をお客様に届ける仕組みのこと、頒布会とは毎月お客様に異なる商品をお届けする仕組みのことです。定期コースは主に健康食品・化粧品で使われ、頒布会は食品で主に使われます。頒布会で有名な企業は株式会社ベルーナでワイン・日本酒・惣菜などの販売で活用しています。定期コース・頒布会はLTV向上に寄与する仕組みですが、その導入だけで数字が変わることはありません。お客様が商品を気に入り、かつ企業への信頼を持ってこそ、定期コース・頒布会も有効に働くためです。

最近では食品通販の会社も定期コースを活用するようになりました。お茶、明太子、お菓子、お米、お酒といった商材で定期コースを設計し、誘導するよう心掛けています。継続して購入するお客様には割引特典があり、会社側も安定したリピート売上が見込めるということでお互いにメリットがあります。健康食品・化粧品にとどまらず対象業種が拡大してきています。

 

お客様からの信頼を得る取り組み

化粧品通販会社A社は、商品を購入したお客様全てに手書きのメッセージカードを必ず同梱します。スタッフは注文が入ると、顧客管理画面を見て、新規客か既存客かを見極めます。さらに、購入履歴や住んでいる地域を確認しながら顧客一人一人に向けたお礼のメッセージを書きます。このような手間のかかる取り組みが顧客との信頼づくりに役立ち、高い継続率に繋がっています。

食品通販会社B社は受注が集中するお歳暮の時期は外部のコールセンターを活用しています。毎年、起用するコールセンターのオペレーターに研修を行うのですが、少しでも社員に近い意識を持ってもらえるよう、経営理念や会社の考え方も伝えるようにしています。社内でも外部でもお客様には関係ないので、社員に近い対応ができるよう時間を作っているのです。

 

同梱ツールにより継続の重要性を伝える

化粧品通販会社C社は、お客様が商品を買い続けるためには、その商品を使い続ける事でどのような未来がもたらされるかを知ってもらうことが大切であると考えました。そこで、定期コース購入者には、変化の兆しに気づいてもえるような内容のツールを6種類作り、1回目から6回目まで合計6回、商品と一緒に同梱し、回を追って丁寧にわかりやすく説明しています。

健康食品通販会社D社も継続率を高めるために定期コース購入者に情報発信をしています。健康への意識を高めてもらうためのツールを5種類作り、1回目から5回目までの合計5回、商品と一緒に同梱しています。お客様の意識付けになったのか、同梱後、継続率の数字が以前より上回るようになりました。

 

定期コースの配送設計や決済方法も継続率に影響を与える

毎月1個お届けの定期コースを2ヶ月に2個もしくは3ヶ月に3個配送する「おまとめ定期コース」を設計し、誘導する会社が近年増えています。これは毎月お届けよりも2ヶ月もしくは3ヶ月に1回お届けの方が、継続率が高くなる傾向があるためです。

健康食品通販会社E社では初回購入時から3ヶ月に1回お届けの定期コースに誘導しています。広告は定期オファーで出稿し、受注時に3ヶ月に1回お届けの定期コースの案内をしています。お客様にとってもかなり魅力に感じる強いオファーを用意することで誘導に成功しています。

また、最近では広く知られるようになりましたが、クレジットカード決済、口座引き落としといった決済方法は代金引換や後払いよりも継続率が高くなる傾向があります。玄関口で現金を用意する代金引換、郵便局やコンビニに支払いに行く後払いは面倒が伴います。手間なく決済されるクレジットカード決済、口座引き落としを利用してもらうことがお客様の利便性向上につながり、結果として継続率も上がる傾向にあります。

 

 

クロスセルの重要性

多くの化粧品通販会社が抱える課題の一つに、クロスセルがあります。通販会社は、広告で新規顧客を獲得する際、さまざまな商品を案内せずに、自社で一番売れている商品に絞り込んだ広告で新規顧客の獲得を行っています。その後、顧客フォローの中でクロスセルを行い売上増大、顧客単価の引上の実現を目指していきます。しかし、なかなか上手くクロスセルの成果を出せていない企業も多くあります。

 

上手くいかない理由として、

 

1、案内する商品の優先順位が決まっていない。
2、商品案内の表現が弱い。
3、客層に合わない商品をやみくもに案内している

 

などが挙げられます。そして、クロスセルへの過剰な期待がある企業が多く、平均的なクロスセル率が実現できていても、うまくいっていないと評価してしまう場合もあります。

 

一方、案内する商品の優先順位を決め、商品の必要性をしっかり伝えることで、クロスセルを上手く実現している企業もあります。

 

化粧品通販会社F社は、メイン商品の次に買ってもらいたいサブ商品を決め、商品購入後の早い段階から、積極的に商品提案を行っています。具体的には、2品で一緒に使うとさらに効果を引き出すことが出来るという内容の説明チラシや、2品一緒に使っているお客様の体験談ツールを同梱しています。このような取り組みにより高い2点購入率を達成したことで、LTV向上へとつながりました。

 

化粧品通販会社G社は、クロスセル用のチラシを作る際、広告制作と同様にニーズを喚起するような表現作りを徹底して行っています。単に商品の特徴を掲載したパンフレットを同梱する会社が多いのですが、顧客は既に他社商品を使っている可能性があり、そこから自社商品にスイッチをしてもらうには、相当の動機が必要であると考えているからです。

 

化粧品通販会社H社は、主力品より価格帯が高い商品をクロスセルで案内しているせいで、思うようにクロスセル率が上がらず苦労しています。主力品の価格帯に合うお客様が集まっていますので、同価格帯や少し低い価格帯ではないとなかなかクロスセルに繋がりません。

 

クロスセルが上手くいかないと、その原因を商品にあると考え、次々と他の商品をやみくもに案内するケースを見かけます。特に、自社商品を使っている顧客だから、案内さえすれば何かしら購入してくれるだろうと安易な気持ちも少なからずあるのでしょう。しかし、ニーズを喚起できない表現の弱さがクロスセルしない原因であったというケースもあります。 既存客であっても商品の良さや特徴を知ってもらうためには広告で使うような強いクリエイティブが必要なのです。

 

 

LTV向上を実現するために

安定した通販事業を継続していくためには、今まで以上にその会社の底力が試されます。定期コース・頒布会という仕組みに頼っているだけではなかなかLTV向上にはつながりません。自社のお客様は商品の良さを十分に理解しているか、サービスや対応に満足しているか、お客様のお役に立つ提案がしっかりできているか、改めて振り返ってみるとLTV向上のヒントを数多く見つけることができます。そのためには、販促・企画部署だけでなく、社内外の協力が必要となってくるはずです。会社全体の取り組みとして、継続率を上げるために何ができるか、クロスセル率を高めるために何ができるのかをお客様視点で考えてみてください。



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