ファン作りは、理念づくりから

EC・通販業界はもちろんのこと、人口減、高齢化の波もありどの業界も新規客を獲得することが難しくなり、益々、既存客の重要性に意識が行くようになっています。


化粧品、健康食品のような単品リピート通販業界では、定期という仕組みによって既存客の定着化に成功してきた業界といえるでしょう。


しかし、最近では、どこも定期コースを導入していることもあり、定期という仕組みだけでお客様を繋ぎ止める事が難しくなってきました。そこで仕組みを超えた形でお客様と絆をつくり、ファンになってもらい、支持される、愛される企業へと成長させていくことが必要となっています。


自社を積極的に支持するファンを作るには、施策の実行の前に、自社が提供する商品、サービスを通して、どうお客様に感じてもらいたいかという理念がづくりが大切です。


理念、考え方、姿勢を決める

室町時代に創業し500年の歴史を誇る、和菓子屋の虎屋は、『おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く』という理念を掲げています。和菓子をおいしく召し上がって頂くに、『喜んで』という言葉を加えることで、職人のみながらず、店員の振る舞いにも関わってきます。どんなに職人が丹精込めて、おいしいお菓子を作っても商品をお客様に手渡しする時に、店員の対応が悪ければ、喜んで召し上がっていただくことにはなりません。店員がお客様に真摯に向き合い、どうすれば喜んで頂けるのかを常に考えるという姿勢作りにもつながっていきます。


想いがあるからこそ、行動を通じてお客様に想いが伝わっていきます。ファンを作るために、手書きの手紙を書く、お誕生日にプレゼントを贈るという施策の話しだけでは、お客様に想いは伝わらないのです。


理念が行動に現れる

化粧品通販会社A社は、『お客様が主語』、販売形態は通販でも、『顔の見える個人商店のような心通うものでありたい』という理念をもっています。

そのため、取り組みを考えるときは、自社が儲かるか?ではなく、それはお客様が喜ぶのか?という視点で考えます。昨年のコロナ禍で、外出自粛などで世の中がストレスを抱えた状態のなか、お客様を思いやるお手紙や話がしたくなったらいつでもお電話くださいというメッセージをどこよりも早く発信しておりました。


よく企業規模が大きくなると、なかなかすぐに行動に移すことが出来ないという声を聞きます。しかし、A社は、常に理念に立ち返り、今、何を優先させるべきかが明確だったのでこのような素早い対応が出来たのだと考えます。

 

健康食品通販会社B社は、『食改善で真の健康をお届けする』という理念を掲げています。商品を売るという考えよりも、健康セミナーや料理教室の開催さらに、小冊子などを通して、食事の在り方という考え方を伝えることを重視しています。


また、創業以来、1人1人のお客様を大切にするという考えが社員に浸透しており、お電話、お手紙を通じてお客様との強い関係を構築しています。


理念を明確にし、共有と徹底した行動を心がけて

理念を明確にすることで、自社の取り組みが理念に基づいているかについて、社員皆が、常に立ち返ることができます。逆に、売上を上げるばかりを考えていると視野が狭くなり、お客様不在の取り組みになりがちです。


ファンを作るためには、少し遠回りに見えても、先ずは理念を明確にし、それを共有し徹底した行動を心がけていくことが大切です。
年始めのこのタイミングで自社の理念は何だろうか?皆で共有できているかを振りかえってみてはいかがでしょうか?



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