お客様の声には改善のヒントが数多くあるので常に関心を持つこと
通信販売は対面販売と違って販売時にお客様の顔を見ることができません。対面販売であれば、お客様との会話やちょっとした表情の変化からお客様の不安を感じ取り、臨機応変な接客をすることができます。
一方で、通信販売ではお電話でご注文をいただければ、お声を聞くことができますが、なかなかお客様の想いをすぐに把握することは難しいのが現実です。そのため、商品発送時にハガキなどを同梱し、お客様に感想を書いてもらう活動を積極的に行っているのではないでしょうか。
そんな中、通信販売で商品を購入するお客様は通販会社へのお手紙、メール、レビューを通じて、想いを伝えてきます。その想いをいかに汲み取り、施策に生かしていくかは非常に大切なことと言えます。
時折、私のクライアント企業様でお客様アンケートを実施するのですが、アンケート用紙を送った方の半数近い方が回答をくださることが多く、お客様も機会があれば通販会社に自分の想いを伝えたいという欲求があることを感じ取ることができます。
お客様の声を社内とお客様に共有する
お客様からの声は、商品を使って肌状態が良くなったとか、友人など周りの人に褒められた、電話で丁寧に説明をしてくれて嬉しかったなどの声もあれば、期待していたような効果を感じなかった、問い合わせをしたら長く待たされたなどのお叱りの声もあります。
お叱りや指摘の声は、目を背けたくもなりますが、満足したという声だけでなく、不満の声などにもしっかり耳を傾け、良い点はさらに伸ばし、指摘された点は改善していくことで売上アップにつなげて行くことができます。
化粧品通販会社A社では、お客様から届いた声を壁一面に貼り出し、現場スタッフがいつでも見えるようにしています。こうすることで自分たちが日々販売をしている商品がこんなにもたくさんの人に喜ばれているということを知ることが出来、社員のモチベーションアップにもつながり、お客様に自信をもって提案をすることにも役立っています。
健康食品通販会社B社では、お客様の声ばかりを集めたツールを作りお客様に送っています。そこには、喜びの声はもちろん、不満の声やお客様から寄せられた質問なども載せ、不満な声に対してはどのような改善を行っていくかを、質問に対しては回答を載せるなど誠実な対応を行い、お客様の企業への信頼を高めることに役立てています。
通販業界以外でもお客様の声を共有する取り組みを行っているお店があります。熊本に「湯らっくす」という健康ランドがあります。この施設のお客様アンケートの答えが興味深い内容になっています。施設内と自社のホームページで毎月お客様から寄せられたアンケートと施設からの回答が公開されています。
毎月100~200件程度のお声が寄せられ、。中にはかなり辛辣な意見もあるのですが、それに対しても誠実に答えています。また、意見が違うものについては反論を恐れずに会社の姿勢を伝えているのも好印象です。投書の意見を受けとめ、必要なものはスピーディーに改善につなげており、魅力的な施設としてお客様からも評価をされています。
https://www.yulax.info/topics/news
広告クリエイティブ製作にもお客様の声は参考になる
広告のクリエイティブを制作する際にもお客様の声は参考になります。お客様の声によく出てくるワードをピックアップし、クリエイティブ制作のヒントにした会社があるのですが、従来のクリエイティブよりもレスポンスを上げることに成功いたしました。
健康食品通販会社C社では、お客様から届いた声をパソコンに入力し、テキストマイニングにより出現頻度の多いワードを拾い上げました。そこから広告のキャッチコピーにふさわしい言葉を見つけるなどし、広告のブラッシュアップへと活用をしております。
上記のように、お客様から届く声には、普段気づかないようなヒントが多く詰まっていますので、出来るだけ多くの声を集められるよう、プレゼントをつけるなどして積極的な姿勢で集めていくことが大切です。そして、何よりも重要なのは、集めることだけを目的とせずに、集めた声から社員のモチベーションアップへの活用、改善に役立てることを忘れずに行っていってくことが何よりも大切です。
お客様の声をもとに改善策を実施する
健康食品通販会社D社の担当者は、お客様から届いた不満の声を全て、データベース化して管理しています。日々、その声をヒントに優先順位をつけ、改善を実行し、その結果、緩やかにですが、定期コースの継続率が向上し、売上も上がっていきました。その手応えもあって、継続してお客様の不満の声解消に努めています。
食品通販会社E社ではリピート客への施策を検討する上で、事前にお客様アンケートを実施しました。その結果、お客様の要望で一番多かったのは、食べ方のバリエーションを提案してほしいというもので、レシピ集を作成し、様々な食べ方の提案を行うようになりました。
健康食品通販会社F社は定期的にお客様の声を読んでいる中、ふとある商品が目立ってお客様の声ハガキが多く戻ってきていることに気がつきました。内容を読んでみるとお客様の商品への満足度が高いことが伺えるものばかりでした。そこで、C社ではこの商品を広告出稿の対象にし、テストをしてみると広告の反応も良く、その後の売上アップに大きく貢献しました。
CoCo壱番屋もお客様の声から改善を繰り返した
先日、カレーハウスCoCo壱番屋の創業者である宗次徳二氏のインタビュー記事を読む機会がありました。その中で特に印象に残ったのは、当時社長自ら全てのお客様の声ハガキに目を通していたという話です。店舗数が80店舗になった1987年にお店にアンケートはがきを設置したところ、月間で3万通のハガキが届いたそうです。
毎朝5時に出社し、3時間半かけて1日1000通のハガキを読む。これを退任するまでの15年間欠かさず行っていたそうで、その内容は「店舗運営ヒント集」に毎月まとめられ、各店舗で共有されます。「お客様の声はどんな経営指南にも勝る」という宗次氏の言葉はまさに至言と言えます。
意識してお客様の声を読む時間を作る
以前、年商300億円以上ある総合通販会社の事業責任者の方とお会いした際にお聞きしたのですが、その方は毎日お客様からきた手紙に目を通しているそうです。入社した際に社長から毎日手紙を読むようにと教わったそうで、入社以来、欠かさず実行しているとのことです。業務に追われ、忙しい時もあるようですが、本人なりに重要性を感じているようで、やめることはできないそうです。
お客様の声はお褒めの声はモチベーションアップに、不満の声は改善のヒントになります。業務が忙しい中、お客様の声を読む時間はどうしても後回しになりがちですが、得られるヒントもたくさんあります。今後、意識して時間を作ってみてはいかがでしょうか?
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