付加価値を加え、独自性を発揮する
飲食業、小売業、サービス業など、今の日本では、多くの業界で成熟化が進んでいます。消費者の購買意欲は満たされ、市場の成長は鈍化しています。今の消費者に「どんな商品やサービスが欲しい」と聞いても明快な答えは返ってきません。
このような中で企業として勝ち残っていくには、いかに、独自性をもった切り口で商品やサービスの開発をすると共にどう表現していくかが大切です。
気軽に通えない煩わしさがワクワク感を与えている
東京の渋谷駅の近くに、看板のない会員制パフェのお店があります。住所は非公開で、地図アプリで検索しても出てきません。このお店に訪れるには、クラウドファンディングなどで不定期で募集される会員権を購入するか、会員と同伴するしかありません。
この店はバーをイメージさせる内装で、バーカウンター越しにパフェを作る様子を間近で見る事が出来ます。また、並ばずにパティシエが作る本格パフェを落ち着いた雰囲気で食べることができる点も魅力の一つになっています。
知っている人だけがお店に行くことができる優越感、気軽に通えない煩わしさが、ある意味、お客様にワクワク感を与えています。このお店の持つ独自性がお客様の心に魅力を与えているのです。
ほっと一息できる空間の提供が魅力
大分県にはハサミを持たない美容室があります。シャンプー・ブローとヘアセットにサービスを絞り込み、働く女性が気軽に身支度を整えたり、気分転換できる場所を提供しています。
このお店の経営者は出産、子育てに追われた自身の経験をもとに、このようなサービスが受け入れられると考え、大分市内で開業。今では、大分県、福岡県、東京都と7店舗展開しています。
パーマやカットより利用時間がかからないため2日1回、ほぼ毎日通うお客様もいるほどです。
仕事、家事、育児に追われる女性がほっと一息出来る空間の提供がシャンプー・ブローというサービスに付加価値を与えることが出来た事例と言えます。
商品の持つストーリーと体験が魅力
通販会社A社は、2年間熟成させた紅茶を採れたての三重県産のゆずに詰めたお茶を販売しています。
自社サイト内では、作り手やその地域、商品にまつわるストーリーをショート動画で紹介しています。なぜ、こんな場所でこんな珍しいものを作っているのかに想いを巡らせることができるような組み立てになっています。
また、体験を楽しんでもらいたいという考えから、オンラインイベントを開催し、作り手から直接話しを聞く機会を設けています。さらに、もっと深く知りたいという方のために、その地域の散策ツアーやお茶体験ツアーを開催しています。
スピードや手軽さが求められる風潮の中、あえて、時間をかけて商品を開発すると共に、その商品の持つストーリーや提供する体験に価値を見出す試みをしています。
今ある商品やサービスにどう付加価値を加える事が出来る?
どの事例も、今までにない画期的な商品を作り出したのではなく今ある、商品やサービスに、付加価値を加えることで独自性を発揮しています。
商品やサービスの開発というとどうしても今までの世の中にないものを開発しなければいけない気がしてしまいます。しかし、紹介した事例のように新たな付加価値を加えることで、独自性を出していくことは可能です。今まではとは少し違った角度で商品やサービスを見ることできっとヒントを見つけることができるでしょう。
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