非効率の効率が独自性を生み出す

「非効率の効率」という言葉があります。お客様に個別対応をしたり、手書きのお手紙を書いたりという取り組みは一見、時間も手間もかかり非効率に見えます。しかし、その非効率な取り組みに感動したお客様がリピーターとなってくれれば、結果として効率が良いという見方ができます。一方で、短時間で受注を捌いていくことは効率的ではありますが、お客様の印象に残らず多くのお客様がリピート購入に至らなければ、結果として非効率であるという見方もできます。


弊社のクライアントは中小企業が多いのですが、その現場では皆さん様々な工夫を行いながらお客様への対応を行っています。その幾つかの事例をセミナーやコンサルティングの現場で紹介すると時々、「うちみたいな(大きな)規模だと細やかな対応はできません」と言われることがあります。小さな会社でお客様が少ないからできるのではというニュアンスのようです。


年商300億円超えでも個別対応している再春館製薬所の凄さ

先日、熊本にある再春館製薬所様を訪問してきました。通販売上は約300億円(推定)で化粧品通販会社としてはかなりの大手になります。出荷場所を見学させて頂いたのですが、かなり細かい個別対応をしていて驚きました。会社名が書いてない箱で送ってほしい、 瓶の容器は重いのでプラスチックの容器にしてほしい、ギフトで送りたいのでラッピングをしてほしい、母への手紙を同梱してほしい等、様々な要望に対応する体制が整っているのです。通販ではありながら、お店に商品を買いにきてくださったお客様に接客していることを思い出させる姿勢に大変感銘を受けました。長年続けているお客様が多いというお話でしたが、商品力だけでなくお客様に寄り添うような姿勢が支持されているのです。会社の規模は大きくても小さなお店のような個別対応の数々を見て、規模ではなく企業の姿勢の問題なのだと感じた次第です。


非効率なことも継続することが独自性につながっていく

化粧品販売店A社では創業から18年以上宅配のお客様へは直筆の手紙を欠かさず同梱するようにしています。お客様ごとに内容を変えそのお客様にあった内容にしています。このお店ではお客様が引っ越した後もわざわざ通販でリピートするくらいファン化に成功しています。


化粧品通販会社B社では全受注に対し、必ず手書きのメッセージカードを添えて商品を送っています。メッセージも過去の購入履歴や住んでいる地域を確認しながら、お客様を想像しながら内容を考えて書くようにしています。この会社の楽天でのレビューを見ると手書きのメッセージを喜んでいるお客様が多いことが確認できます。実際にリピート率も高く、親身な対応が商品と共に評価されていることがうかがえます。


過去の経験からですが、定期コースのない会社の方が、非効率な施策に取り組んでいる場合が多く見受けられます。1回の顧客対応でいかに喜んでもらうか、次のリピートが保証されていないので、より真剣に取り組んでいると考えられます。


会社の規模が大きい、配送を外部に委託している等、様々な制約条件は各社あるかと思いますが、非対面でお客様の顔が見えない通販だからこそ、手間をかけないとお客様の記憶に残ることはできません。


近年、お客様と直接会う機会を増やす通販会社が増えてきました。背景にはお客様のことをより深く知りたい、要望を直接聞きたいという想いがあります。数字からは見えてこないものを探っていくには、一見非効率な取り組みが大切になります。


お客様への個別対応は手間がかかり非効率ですが、お客様の印象に残ったり、感動を与えたりということにつながっていきます。現実的にお客様全員に対応は無理だとしても、まずはできる範囲で個別対応に取りくんでみてください。


 
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