お客様視点を持っている社歴の浅い人に自社の課題を教えてもらう

先入観や固定観念のない社歴の浅い人の視点を活用する

新卒でも中途でも新しくメンバーに加わった人は会社の課題を見つけやすい状態にあります。心はフレッシュでモチベーションが高く、固定観念が少ないので、素朴な疑問を抱くことができます。


入社から半年、1年と経過し、仕事を教わり、環境に馴染んでくると、経験と慣れから素朴な疑問はなくなり、日常業務をこなすことに、心も集中してしまいます。何か疑問を感じても、今更、こんなことを聞くのは恥ずかしいという想いや、社内の人間関係に波風を立てたくないという想いから、うやむやにしてしまいがちです。


食品通販会社A社にはある日、異業種から中途で社員が入社してきました。そこで、入社して日数が浅いうちに、コールセンターや出荷場所について課題を抽出してもらいました。先入観なく注意深く観察してもらったおかげで、古参社員よりも的確に課題を見つけてくれ、その情報を共有することができました。また、その過程で疑問に感じたことを各部署のスタッフに質問することで、その社員自身も短期間に業務を深く理解することができました。


社歴の浅い人はお客様視点に近いので、広告やDMの制作時に積極的に意見を聞く

広告やDMの制作においても社歴の浅い社員の視点は重要です。社歴の浅い社員は一番お客様に近い存在ですので、そのお客様視点を活用しない手はありません。


広告やDMのクリエイティブでは「わかりやすさ」が非常に重要ですが、制作者は商品やサービスについて詳しいが故にお客様視点を見失ってしまい、出来上がったアウトプットが結果としてわかりにくいという場合がよくあります。


お客様が見た瞬間に何の商品の広告なのかがわからない、キャンペーンの内容がよくわからないといったクリエイティブだと広告やDMの反応も悪くなってしまいます。悪い結果が出た後で、会議で振り返るのも大切ですが、社歴の浅い社員や他部署の社員の方に事前に見てもらうことで、素朴な素人目線の意見を事前に得ることができます。


費用をかけて広告出稿やDM発送を行う前に、周囲の方にまずは見てもらう習慣をつけると費用をかけずにいろいろな気づきを得ることができます。DMであれば送付対象を伝えた上で、クリエイティブ案を見せます。そこで相手が怪訝な顔をしたら要注意です。何かわかりにくいクリエイティブになっている可能性があります。


長年、働いていると商品やサービスを十分に理解した上で広告やDMを制作してしまいがちです。一緒に働いているメンバーも同様なので、お客様視点での気づきを得ることが難しくなってしまいます。また、毎月、同じ情報の発信をしていると制作者が慣れてしまい、初めてその制作物を見る人の視点がどうしても抜けてしまうのです。


食品通販会社B社では経営者自らがDMの制作を行っているのですが、入稿前に必ず奥様をはじめとする女性スタッフに意見を求めるようにしています。親しい間柄ということもあってかなり辛辣な意見をもらうこともあるのですが、「わかりにくい」「目立ってない」など率直な意見を聞くことでDMのデザイン修正に活かしています。


製作者の意図を聞きながら制作物を見ると理解できることもあるのですが、お客様は制作者の意図を直接聞く場面はありません。よって、その広告やDM自体がお客様視点でわかりやすいか、伝わっているかが非常に重要になります。


仕事は経験を積むことで能力が発揮できる仕事と、経験がないことがプラスに働く仕事の2種類があります。新しいメンバーが入ってきた時は良いチャンスです。どんどん感じた疑問を聞き出してみましょう。


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