出費の痛みを軽減する

出費の痛みとは、何かの代金を支払う時に感じる精神的苦痛のことです。多くの人はこの痛みを緩和させるために、現金ではなく、クレジットカードや電子マネーで支払おうとします。出費自体は変わらないはずなのに、その場で現金を払わない方が痛みは少なく感じるためです。


通販での買い物は出費の痛みが比較的、感じづらい傾向があります。実店舗で現金払いをするよりもオンライン上でクレジット決済をする方が支払いの実感が薄れるためです。


日本クレジットカード協会の調査(「現金とクレジットカード間の購入単価格差に関する調査」/2017年度)によると、支払いをクレジットカードで行う人は現金で行う人より1.7倍多く使うという結果が出ています。同じ1万円でも現金とキャッシュレスでは感じ方が違うのは間違いないと言えます。


出費の痛みを理解している企業は様々な施策を講じている

スターバックスが発行している「スターバックスカード」、キャッシュレスで利用できるプリペイドカードです。1枚のカードに1,000円から30,000円まで、金額を繰り返し入金でき、更にWEB登録するとスターバックスリワードに参加することができます。利用客にとっては、お金をチャージした時点で心の中で支払いは終わっています。利用時に出費の痛みを感じることがない上に、ポイントも貯まるのでお得感も得ることができます。


アマゾンを利用する方であれば便利な1クリックでの購入はご存知のはずです。クレジットカード支払いのアマゾンで利用者は欲しい商品をクリック1回するだけで、購入完了します。では、この1クリックについて1997年に特許を申請していたことはご存知でしょうか?アマゾンは1999年~2017年までこの技術を特許で守っていました。アップルはアマゾンに特許料を支払い、1クリックの技術を利用していました。この1クリックでの購入がいかに出費の痛みを感じさせないかが理解できる事例です。


ある人気旅館の取り組みです。この旅館では独自のクーポン券を販売していて、8,000円払うと1万円分のクーポン券をもらうことができます。お客様は2,000円の得をしますし、旅館も1万円以上の売上を見込むことができます。旅館は頻繁にリピートする施設ではないので、クーポン券は使い切って帰るお客様が多いためです。


通販会社も出費の痛み軽減に取り組んでいる

近年、定期コースのお客様にクレジットカードでの決済を促す通販会社が増えました。また、毎月お届けのコースではなく、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回のコースを勧める通販会社が増えました。


これらは出費の痛みを軽減するという視点からも施策の有効性が理解できます。実際に、代引き・後払いよりもクレジットカードの方が、毎月お届けよりも2ヶ月1回、3ヶ月に1回お届けの方が継続率が高くなることが多くの会社で実証されています。


お客様の出費の痛みを軽減するという施策は継続率アップにつながります。施策を考える上で、この視点を取り入れてみてはいかがでしょうか?


※アマゾンの1クリック特許については、「Forbes JAPAN」の「アマゾンの「ワンクリック特許」が期限切れに 競合には朗報?」を参考にさせていただきました。


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