体験なくして、ファン化なし

「ファン化」という言葉をよく耳にします。お客様がファンになってくれると長く継続してくれるだけでなく、口コミの源となって積極的に商品や会社を紹介してくれるようになります。


できるだけ多くのお客様にファンになってほしいと思うのは当然のことですが、どうしたらファンになってもらえるかという点はあまり語られてない気がいたします。単に長く買っているから、ランク制度で上位にいるからといった理由では当然ファンになることはありません。


お客様は体験を通じてファンになっていく

よく利用している飲食店のことを思い出してみると、必ずお店のスタッフとの会話という体験があることに気づきます。行く回数が増えるにつれ、お互いの人間性を確認し合う、お店のこだわりや歴史を知るといったことが重なって行き、お店への愛着が生まれるようになります。


通販業界では非対面での販売がメインなので、通販会社側がお客様と直接コミュニケーションを取る場面を作っていかないとお客様が何かを体験することはできません。


ZOOMを使ったオンライン接客やLINEを使った1対1のコミュニケーションなどに取り組む会社も増えてきましたが、今までにない接客体験の場として貴重な機会になると考えられます。


世の中も落ち着いてきたので、オンラインだけでなく対面での場も作りやすい環境になってきました。体験の重要性を感じている会社の取り組みは今後、増えていくことでしょう。


少人数の集まりがファン化につながる

化粧品通販会社A社はお客様をホテルに招き、化粧品の使い方勉強会を開催しています。約50人のお客様を招くのですが、お客様4人に社員が1人つくような形でコミュニケーションを密にしながら運営しています。お客様は商品の使い方を学ぶだけでなく、社員の方とも親しくなることで商品・会社への愛着を持つようになります。


化粧品通販会社B社は全国各地で少人数の勉強会を開催しています。勉強会の内容は商品の使い方で、お客様の反応を見ながら運営をしています。この会には経営者自らも講師として開催することもあり、会社としても重要な取り組みに位置付けられています。


このような勉強会に参加した人の継続率は非常に高く、大半の方が優良客へと育っていきます。また、勉強会に参加したお客様と直接コミュニケーションを取ることで、商品の感想や会社への要望も把握できるのもメリットと言えます。


ポイントは少人数というところです。少人数なので、参加者1人1人に目を配ることができるのと、深くお話を聞くことができます。表層的でない深い話を聞くことで、お客様の人間性や商品を使い続ける理由を知ることができます。定量的なアンケートの集計では知ることができない多くの情報を得ることができます。


まずは小さく始めてみる

勉強会やイベントを企画すると、なるべく多くの人を集めたいという欲が出てきます。しかし、参加者が多くなればなるほど、参加者の満足度は下がってしまう可能性を考慮しなくてはいけません。


まずは少ない参加人数から始めてみて、参加者の満足度を高めていく経験を積むことが大切です。また、担当者だけが頑張るのではなく、販促部署との連携も大切です。お客様に何を体験してもらうのか、お客様とのコミュニケーションを通じて、会社として何を得たいのか、目的を明確にして取り組んでみてください。

 


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