「安心・安全」を伝える情報発信を行う
小林製薬の「紅麹」に関するニュースが3月22日に出ました。健康食品を販売している会社の方にお話を聞くと、紅麹を使った商品を販売していなくても、お客様から問い合わせ、定期コース解約の電話が数多くかかってくるとのことでした。
4月に入り、問い合わせの電話は落ちつきましたが、広告の反応にも影響が出ているようで、ニュース報道が続く限り、しばらく影響は続きそうです。
ニュースでは「紅麹」「機能性表示食品」という言葉が連呼されています。制度に詳しくないコメンテーターの発言も連日放映され、視聴者の不安を煽っています。
思い出すのは、今から20年以上前、「狂牛病」の時もテレビが不安を煽り、消費者が焼肉屋に行かなくなるという状況が発生しました。牛がふらつく映像が繰り返し流れ、それが視聴者に不安を与え続けました。
マスコミの影響力は大きく、企業側にできることは限られていますが、それでも対策は必要となります。
改めて安心・安全の取り組みを発信していく
初回購入者向けの商品パンフレットを見ると多くの会社が、商品に入っている原料の紹介や製造工程など安心・安全について情報発信をしています。
但し、この情報は内容が基礎的なものであるせいか、その後、あまりお客様に発信されることはないので、お客様が自発的に商品パンフレットを見返したり、ホームページを見たりしないと情報を得ることができません。
お客様が不安を感じている今だからこそ、改めて「安心・安全」の発信をしていくことが重要です。定期的に発行している会報誌や「安心・安全」に特化したツールを作るといった方法が考えられます。
先日、私が親しくしている方がファンケルのオンライン工場見学に参加しました。約1時間、工場の取り組みを紹介され、非常に勉強になると共に信頼感の醸成につながったそうです。自社工場の強みを発揮した取り組みと言えます。(ファンケルではオンラインだけでなく現地での工場見学も実施しています)
方法は様々ですが、自社の客層にあった情報発信を考えていく必要があります。
安心と安全の違いを理解する
「安心」と「安全」は同義で使われがちですが、意味は違います。「安心」は心によって決まり、「安全」は事実によって決まります。数字や検査結果といった根拠のある事実が「安全」につながり、その情報を見た人が理解すると「安心」につながります。
つまり、企業としては、商品に関する「安全」をアピールすることがお客様の「安心」を与えることになるのです。
岡山にある山田養蜂場は2020年4月「新型コロナウィルス対策の取り組みについて」という書面をお客様に同梱しました。ちょうど流行の初期の頃で、お届けの箱にウィルスがついているのではと不安に思う人も多くいた時期でした。
書面の中では、お客様の不安を取り除くために製造から出荷までの全工程が写真付きでわかりやすく表現されておりました。
企業側にとっては当たり前の情報もお客様にとっては未知のことが多くあります。紅麹の報道は1つのきっかけで、「安心・安全」については定期的に発信していくことが大切です。お客様の不安を少しでも取り除けるよう、お客様視点で情報発信をしてみてはいかがでしょうか?
※JALの回答、山田養蜂場の文面を見たい方はご連絡いただければ共有いたします。
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